警察官に殉職・ケガはつきものなの?

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刑事ドラマなんかを観ていると、犯人の凶刃に主人公が倒れたり、どうかすれば主要な登場人物が殉職するシーンも描かれていますね。

 

実際の現場ではどうなんでしょう?

 

ホントに殉職やケガを負ったりするんでしょうか?

 

今回は、かなりキケンな警察官のお仕事について触れてみましょう。

 

ホントにキケンなの?警察官のお仕事

 

ハッキリ言いますね。

 

警察官は危険職です。

 

だって、刑事ドラマみたいな現場がホントにあるんですから。(さすがに日本で銃撃戦はありませんけどね)

 

犯人の逮捕現場ばかりに目が向きますけど、災害で派遣されている機動隊員はキケンな場所にも人命救助のために進んでいくし、高速道路で事故処理をする交通警察官はいつ猛スピードの自動車が突っ込んでくるかも分かりません。

 

警察官の仕事には常にキケンが付きまとっているんです。

 

ここで私の経験談をひとつ。

 

当時、私は小さな警察署の刑事課で勤務していました。

 

手持ちの仕事が終わらず、みんなが帰ったあとも残って仕事をしていたある夜「居酒屋で日本刀を持った男が暴れている」という通報を受けたんです。

 

夜間の緊急通報は、当直(つまり『夜勤』です)が対応するんですけど、運悪く刑事の当直は別の事件で出払っていました。

 

仕方がないから当直の詰所にいくと、制服のお巡りさんたちはバタバタと装備を整えていてまだ現場に向かっていなかったんです。

 

「こりゃあ大変だ!」と思い、なーんの装備もないまま覆面パトカーで単身現場に向かいましたよ。

 

もちろん現場は一番乗り、ひとりぼっちで現場に突入です。

 

居酒屋のドアを開けると、店内には血だらけで倒れている人と、その側で日本刀を振り上げている男が1人。

 

カウンターの中では店員の女性が悲鳴をあげていました。

 

本来は単身での突入も、装備を整えないままの突入も大問題なんですけど、そこはやっぱり『使命感』ってヤツですかね?

 

「なにやってんだぁ!」って大声を出しながら犯人に突進して、日本刀を取り上げて投げ捨てて現行犯逮捕です。

 

応援も到着して現場が落ち着いてから、やっと自分がやったことの恐ろしさを実感しましたね。

 

一歩間違えれば、っていうかかなりの確率でケガしてただろうし、自分が殺されていたかもしれないと思うと身震いがしました。

 

翌日、幹部の方々からはひどくお説教をされちゃいました。

 

「そんなんで死んでも誰も褒めてやらないぞ!」

 

あぁ、頑張ったのに怒られてる私…とツライ気持ちになりながらも、ホントに生きててよかったと実感しましたね。

 

こんなキケンな現場が、そんなにしょっちゅうはないにしろ「たまーに」あるんです。

 

警察最大の不祥事は『殉職』

 

これは警察学校で教わることですが、警察官として最もあってはならない不祥事は職務中の死亡、つまり『殉職』です。

 

東北の震災で、津波が押し寄せる中、最後まで避難誘導に従事して亡くなった警察官もいますし、これを不祥事だなんて言葉にするとあまりにも失礼ですが、こういった方を否定しているんじゃありません。

 

不注意や装備不足、判断ミスなんかで死亡することはダメよと言っているんです。

 

先ほどお話しした私の『VS日本刀』なんて最たるものですね。

 

日本刀を持った犯人相手に、素手の丸腰で挑むなんて正気じゃありませんよ。

 

私が幹部の方々から怒られたのも、防刃装備を身につける、人数を整えて現場に臨むなどのキホンを無視していたからです。

 

それでケガがなかったことがキセキのような内容でしたからね。

 

と、こんなことを言うと「警察官がパートナーだと、いつか不慮の事故でパートナーを失うかも知れない」なんて怖くなっちゃいそうですけど、フツーはそなことありません。

 

事故防止、危険防止の訓練や対策はちゃんととられているんです。

 

わかりやすいところでは、ここ数年で交通事故の現場にいる警察官の服装が変わったことにお気づきでしょうか?

 

実は最も受傷事故が多いのは交通事故や取締りに従事する交通課やパトカーのお巡りさんなんです。

 

だから、周囲のクルマから視認されやすい反射チョッキや派手な色の捜査服を着用しているんですね。

 

日ごろも、暴漢役と警察官役に分かれて、暴漢を数名のコンビネーションで制圧する訓練なんかをしています。

 

1人は盾で防御、1人は刺股(『さすまた』といって、先がYの字になった長い武器です)で暴漢を押さえつけ、1人はけん銃で威嚇射撃、すかさず他の警察官が取り押さえて制圧、といった具合です。

 

これが訓練といっても熱が入ってて、特に暴漢役になると遠慮なく暴れるからたまに警察官が倒されたりしちゃいます(笑)

 

こんなふうに、装備を整えて訓練を繰り返し、実際のキケンな現場で負傷しないように鍛錬をしているんです。

 

ちょっとやそっとのことじゃ、そこら辺の警察官は倒せませんよ。

 

補償は手厚い!だからこそ安心して働ける!

 

いろいろ「大丈夫!」な理屈を言いましたけど、それでもやっぱりケガをすることはあります。

 

行方不明者を捜索中に防波堤から転落した先輩もいたし、暴漢を取り押さえる時に殴られて前歯が折れた同僚もいました。

 

私の場合は…幸いケガをしたことはなくて、せいぜい襲いかかってきた暴漢にメガネを踏まれてメガネがぐにゃぐにゃになったくらいでした(涙)

 

さて、こんなキケンな仕事だと、家族の心配は本人の身体もですが「もしもの時は生活できるのかな?」というところでしょう。

 

リアルな問題で、2ヶ月や3ヶ月は仕事ができないなんてこともありますからね。

 

でも、そこも大丈夫!

 

警察官のほとんどは『警察共済組合』という保険に入っているからです。

 

キケンな職業だからってみんなが万一のための保険に入っているわけではないですよね?

 

例えば大工さん。

 

一歩間違えれば屋根ほどの高さから転落したり、道具でケガをすることが多いにも関わらず「てやんでぃ!」と気合で乗り切っちゃったりして、病院も行かない人までいます。

 

ハナから保険なんて入っていないという人もけっこういるんじゃないですか?

 

ところが警察官は警察共済組合に加入しているので、ケガや休業補償も充実しています。

 

一般の保険会社が団体割引を適用して月に数百円でさらに手厚い休業補償の商品を持ち込んでくれたりする機会も多くあるんです。

 

団体割引ってすごく重要で、全国の警察官は約25万人もいますから、一般の半額?7割引程度の保険料で契約できたりもするんですから、保険の契約も大した負担になりません。

 

ウチの奥さんも「フツーに保険料を支払うことがバカバカしくなるね」とご満悦ですよ。

 

手厚い補償があるからこそ、キケンな仕事でも安心して働けるってものですね!

 

まとめ

 

さて、警察官のお仕事がいかにキケンか、そしてキケンなお仕事でも安心して働ける環境であるかをお話ししました。

 

実際のところ、キケンな目に遭うことはそう多くはありません。

 

ただ、他の仕事と比べると「他人のせいでキケンな目に遭う」という機会が多いだけです。

 

自分の不注意で、機械の故障でなどのケガはどんな仕事でもつきものですが、犯罪者と対峙して負傷するなんて仕事は、たぶん警察官だけじゃないでしょうか?

 

キケンをかえりみないことが素晴らしいのではありません。

 

だって、警察官といえどもそれぞれに家族がいて、家族は自分の家族のことが一番心配なんですからね。

 

ケガをしない、最悪の事態である殉職をせずに定年まで職務を全うすることこそ、市民を守り家族を守る、一流の警察官なんですよ。

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